「エモい」とは、2016年ごろから女子高生を中心に使われはじめた言葉です。
SNSでフォローしている人がよく使っていると、どんな意味なのか気になってしまいますよね。
流行り廃りが激しい若者言葉ですが、エモいは登場から数年経った今でも使っている人が多い言葉です。
SNSをよく使う人なら知っておくべき、エモいの意味をわかりやすく解説します。
この記事の目次
「エモい」の意味がわからないという人は多い
「エモい」という言葉ですが、エモいの意味を知らない人は20代後半から年齢が上になるほど多いです。
一般的に使われている言葉というより、ネットを中心に使われている若者言葉と言えます。
CanCamの調査によると、過半数がエモいを聞いたことはあると回答していますが、4割弱が意味どころか言葉自体を知らないと回答しているのです。
そして、エモいの意味がわからない人が持つエモいのイメージは様々。
- エロい、キモいという意味
- 気持ち悪い
- エモーショナル?
- グッとくる
- 感動する
など、ポジティブなイメージもあればネガティブなイメージを持つ人もいます。
あなたならエモいという言葉を聞いて、どんなイメージを持ちますか?
「エモい」の由来とは?
エモいの意味を考えるヒントになるのが、エモいという言葉がどんな言葉から生まれtあのかということ。
エモいの由来には2つの説があります。
英語の「emotional(エモーショナル)」が由来という説と、「emo」というハードロックのジャンル名が由来という説です。
エモーショナルとエモいの関係
エモーショナルが由来という説では、エモいはエモーショナルに単語の語尾につく「い」をつけたものと考えられています。
エモーショナルという言葉は、心にグッとくることがあったときや感情的な人を表わすときによく使われます。
エモーショナルが意味する感情は一つではありません。
喜怒哀楽、全ての感情を含んでいます。
エモーショナルが由来という場合、エモいという言葉の意味は喜怒哀楽いずれかの感情が揺さぶられたときに使う言葉、と考えられますね。
ハードロックのエモとエモいの関係
ロックジャンルのエモに「い」をつけたという説では、喜怒哀楽全ての感情を含むエモーショナルが由来のエモいとはちょっと違います。
エモとは、重く激しいサウンドが特徴のハードロックミュージックの一種。
喜怒哀楽の中では、怒と哀、特に哀をサウンドとボーカル、歌詞で表現する曲が多いという特徴がエモにはあるのです。
エモが由来と考えると、エモいは哀愁を感じたときに使う言葉と考えられます。
例えば、今人気の米津玄師さんの曲は悲しみや切なさを歌う曲が多いですが、米津玄師さんの曲を聴いたときに哀愁的な感情になり、「この曲エモい」などと表現できますね。
「エモい」の意味をわかりやすく解説!
エモいの2つの由来から考えると、エモいの意味は
- 喜怒哀楽
- 悲しい、切ない、懐かしいなど哀愁的
と2つがあると考えられますが、実際は様々な意味があります。
哀愁的な感情を感じたときにエモいを使う人が多いですが、中にはどう表現するべきかわからないときに、とりあえずエモいを使うという人も。
わかりやすく簡単にエモいの意味を説明すると、心が動かされる何か(哀愁、感動、興奮)を感じたという意味になります。
はっきりと一つの感情を意味する言葉ではないのです。
エモいに明確な意味は存在しない
エモいの意味や解釈は人それぞれであり、明確に正しい意味というものは実際わからないのです。
もちろん、辞書にも正解は書いていません。
どんな意味で使っているかは、会話の文脈やSNSなら文と一緒に投稿されている画像から判断します。
エモいはどんな意味で使われることが多い?
エモいを使っている大多数の人は、懐かしい、切ない、そしてなんともいえない感情を感じたときに使っています。
なんともいえない感情とは、悲しい、切ない、懐かしいなど様々な感情が沸き起こり、一言では表わせない複雑な感情のこと。
昔よく聴いた曲をふと耳にしたとき、懐かしさだけではなく当時の切ない恋の思い出を思い出したりしたことはありませんか?
そんな複数の感情を同時に感じたときにエモいを使う、というのが多数派の解釈です。
使い方によっては特に意味はないこともある
ネットでエモいを使っている文を見ると、中には哀愁的な感情関係なく使っている人もいて、エモいという言葉はとても曖昧なものとも考えられます。
例えば、なんとなくテンションを上げたいときにエモいと発していたり、ツイッターやLINEでは相手が発したことに対してエモいと返していたり。
「いいね!」と同じような感覚で使っている人もいます。
はっきりとした意味を持たないため、様々な会話で使える自由な言葉として若者を中心に流行ったのかもしれません。
エモいとヤバいの意味は違う
曖昧さを持つエモいとは違い、ヤバいは危険または最高、すごいなど、ネガティブとポジティブはっきりとした意味を表わします。
しかし、ヤバいの元々の意味は危険という意味でした。
ヤバいの由来は江戸時代の言葉にまでさかのぼり、当時の看守「厄場(やば)」に「い」をつけた造語です。
なんと、当時ヤバいという言葉を使っていたのは泥棒!
泥棒にとって危険な存在の看守である厄場(やば)の名称を使い、捕まりそうになったときなど危険なシーンでヤバいという言葉を使っていました。
エモいには危険性を示す意味はないので、エモいとヤバいが全く違う意味を持つということになります。
「エモい」を使うシーンや使い方
エモいという言葉には使う人によって様々な意味あるため、使い方も人それぞれです。
今回は、エモいを使える代表的なシーンや使い方をご紹介します。
懐かしいものに触れたとき
昔よく聴いていた曲や昔の写真など、懐かしいものに触れると当時の気持ちや思い出がよみがえり、ノスタルジックな気持ちになりますよね。
そんなときにエモいが使えます。
「この写真エモい」「この曲エモいんだけど!」と、ノスタルジックな気持ちになっていることを表現できます。
懐かしい曲や写真をツイッターでシェアするとき、投稿文にエモいを入れてみるといいかもしれません。
なぜか癖になる曲を聴いたとき
なぜかわからないけど、何度も聴きたくなる曲ってありませんか?
そんな「なぜかわからない」という感情も、エモいが当てはまるなんともいえない感情の一つです。
曲調が癖になったり、悲しみも切なさも感じるような様々な感情を表すような歌詞など、なぜかわからないけど気に入った曲に出会ったときは「この曲(歌詞)エモい」と使えます。
哀愁的な景色を見たとき
夕日を見ると悲しいような切ないような気持ちになりますが、哀愁を感じさせる景色に心を動かされたことを人に伝えたいときもエモいが使えます。
夕日を写真に撮ってツイッターやインスタグラムに投稿するとき、「エモい景色が撮れたから見て」とアピールしてみましょう。
言葉に表せないほど感動したとき
好きなアーティストのライブに当選したり、街で偶然芸能人に遭遇したり、、、。
誰かに伝えたいけど言葉に表せないほど感動したということは、感情を大きく揺さぶられたということです。
哀愁的な感情に限らず、感情を大きく揺さぶられたらエモいが使えます。
「大好きなアーティストのライブが超エモかった!」など、エモいを使えば簡単に今っぽい感想文ができます。
ツイッターとインスタではエモいの使い方が違う
ツイッターとインスタグラムでエモいがどのように使われているのか調べてみました。
すると、ツイッターでは主に好きなものの画像を投稿するときにエモいが使われており、インスタでは芸術的、おしゃれな写真を投稿するときに使われているケースが比較的多く見られました。
ツイッターでエモいと一緒に投稿されていたもの
- 気に入った車の画像
- 購入した服
- アニメやアイドルの好きなシーン
- 絵師が描いたお気に入りキャラの絵
インスタグラムでエモいと一緒に投稿されていた画像
- おしゃれなカフェの店内
- 花の写真
- ポートレート写真
- フィルムカメラで撮影した写真
ツイッターユーザー層はお気に入りのものをエモいと表現し、インスタユーザー層は芸術的な雰囲気を持つものをエモいと表現している人が多いです。
上記のことから、エモいは使うSNSによっても意味が変わるといえます。
エモいは使い過ぎ注意!人によっては不快に感じることも
エモいやヤバいという若者の間で使われる造語は、人によっては不快感を感じさせる言葉でもあります。
実際に、ツイッターでは「何でもかんでもエモいで片付けず日本語をもっと大事にしろ」という意見がありました。
エモいという言葉で感情表現が失われるという意見もあります。
「思考のチャンスを「ヤバい」で失い、感情表現のチャンスを「エモい」で失う。何が残るというのだろう。」
出典:「2018流行語「エモい」は感性も語彙力も低下させる」
このように、若者言葉に批判的な意見を持つ人も少なからずいるため、SNSでフォロワーを多く抱えている人や人の意見が気になる人は、エモいの使い過ぎには注意したほうがいいかもしれません。
まとめ
エモいという言葉には様々な意味が含まれるため、使い方も多種多様です。
ただ「いいね」感覚で使う人もいれば、感情が揺さぶられたときに使う人もいます。
特に、本や映画、音楽、写真などに触れたときに感じた感情をエモいと表現する人が多いです。
エモいという言葉を乱用するのは如何なものか、という意見もあります。
しかし、様々な意味を含むエモいは、人によって解釈や使い方が異なるユニークで自由な言葉でもあるのではないでしょうか。